JaSECT 関東甲信越地方会ホームページLast updated  2024.10.25
日本体外循環技術医学会 関東甲信越地方会
JaSECT:The Japanese Society of Extra- Corporeal Technology in Medicine

2024年度 第2回勉強会の報告

  
 
Ⅰ.日  時:2024年9月14日(土曜日) 13:30~16:40
Ⅱ.開催場所:日本医科大学 橘桜会館
Ⅲ.参加人数:89人(会員85人 非会員4人 )
Ⅳ.プログラム 
  進行:横塚 基  先生(三井記念病院)
     菊池 彩香 技士(三井記念病院)
 
 今回の勉強会は、『開心術で用いられる血液製剤』をテーマとし「血液製剤における基礎」と「体外循環での血液製剤の使用方法」について、教育講演とシンポジウムの2部構成で開催しました。
 

1. 教育講演:『開心術で用いられる血液製剤の基礎とPBM』
東京医科歯科大学病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
助教 山本 雄大先生 
         
 教育講演は、「心臓血管外科手術と出血」「Patient Blood Management」「血液製剤と特徴」「目標指向型輸血アルゴリズム」の内容について講演して頂きました。講演の中で、RBC使用の根拠や血液凝固でのフィブリノゲン濃度指標など、ご自分の経験を交えながら分かり易くご教授を頂きました。

 
まとめでは、制限輸血による輸血量が示している中で、患者によってはHb9-10g/dLを考慮していくこと。止血には、細胞の因子と凝固因子の相互作用が必要となるため、目標指向型輸血アルゴリズムのよるPBMの実践が必要であると示されました。
 

2. シンポジウム:『体外循環で使用される血液製剤どう使う?』
施設発表/総合討論
 
・ アルブミン製剤について
埼玉医科大学総合医療センター  葉 優寿 技士
・ ATⅢ製剤について
埼玉県立循環器・呼吸器センター  鎌田 浩聡 技士
・ クリオ製剤について
東京医科歯科大学病院  高濱 拓  技士
・ RBC製剤について
榊原記念病院  山下 雄作 技士
・ FFP製剤について
昭和大学江東豊洲病院  神崎 俊治 技士

 
 施設発表では、各製剤について演者の施設でどのように使用しているかお話し頂きました。討論では、「予防的投与と大量出血時投与について」と「術前・術中で確認すべき見ておかなければならない項目は」から始まり、各血液製剤について深堀りふかぼりをしていきました。内容は、ATⅢ製剤を投与する値やクリオ製剤を始める経緯、RBC製剤のトリガー値や最適なタイミングなどについて、時間の許す限り行われました。
 
シンポジウムのメッセージとして、患者ごとに疾患や全身状態で使用を判断し、使用する根拠をチームで共有していくことが大切であるとまとめられました。
 
 勉強会では、体外循環に関わる内容で知りたいことやその他、疑問について考えていることなど、参加された方が少しでも今後の業務に活かせるようなテーマで開催していきたいと思います。皆様には、参加された際には積極的に発言していただき、勉強会を盛り上げていただきたいと考えます。今後も勉強会へのご参加、何卒よろしくお願いいたします。
 

進行:菊池技士 横塚先生
 
教育講演:山本先生
 
シンポジウム:葉技士 鎌田技士 高濱技士
 
シンポジウム:山下技士 神崎技士 山本先生
 
シンポジウム風景
 
会場風景

 

教育講演とシンポジウムの間で、第31回地方会大会の案内をさせて頂きました。(長嶋大会長)

 

以上

 

広報・情報担当幹事
小野 小林 初鹿野 神崎