JaSECT 関東甲信越地方会ホームページLast updated  2026.2.3
日本体外循環技術医学会 関東甲信越地方会
JaSECT:The Japanese Society of Extra- Corporeal Technology in Medicine

2025年度  安全対策勉強会の報告

 
Ⅰ.日 時:2026年1月17日(土)13:30~16:20
Ⅱ.開催場所:日本医科大学 教育棟2階 講堂
Ⅲ.参加人数:92名(現地参加37名、オンライン参加55名)
Ⅳ.プログラム
今回の安全対策勉強会は、「人工心肺における安全対策 −各施設のこだわり−」と題したシンポジウムと、「人間特性から見たヒューマンエラーの発生メカニズムとその対策」と題した教育講演の2部構成で開催されました。
 

1.シンポジウム
「人工心肺における安全対策 −各施設のこだわり−」:施設発表/総合討論
司会
 木村 友康 技士(東海大学医学部附属病院)
大澤 逹弥 技士(群馬県立心臓血管センター)
演者
かわぐち心臓呼吸器病院 臨床工学科
廣瀬 徹 技士
前橋赤十字病院 臨床工学技術課
関 善久 技士
亀田総合病院 ME室
野口 壮一 技士
北里大学病院 ME部
大島 弘 技士
虎の門病院 臨床工学部 
長嶋 耕平 技士 
 

 
 施設発表では、安全確保に向けた各施設の取り組みとして、人工心肺回路の工夫、チェックリスト運用、インシデント対応などについて報告がなされました。
 討論では、チェックリストの適用タイミング、シングルチェックとダブルチェックの選択、ならびに実際の運用可能性について活発な議論が展開されました。
 本シンポジウムは、今後の体外循環手術における安全対策を再考する貴重な機会となりました。 
 
 

2.教育講演
「人間特性から見たヒューマンエラーの発生メカニズムとその対策」
司会
向田 宏 技士(順天堂大学 医療科学学部)
講演者
自治医科大学 メディカルシミュレーションセンター
前田 佳孝 先生
 
 講演は、「安全にする=リスクを下げる」という基本概念の説明から始まりました。 リスクは「ハザードや脅威の深刻度と、それらの事象発生確率の積」と定義され、脅威とはシステムの安定性を損なう要因であると解説されました。
 人的要因はヒューマンエラーとして捉えられ、その発生原因として、目標設定の不備や目標達成を阻害する要因の存在が指摘されました。阻害要因としては、本人の状態不良、環境状態不良、回避不可能な状況などが挙げられました。
 
 また、人間の状況認識プロセスについて、
   • 知覚の限界
   • 認知と予測の限界(コミュニケーションエラー)
   • 意思決定の偏り
   • 注意配分の限界
 といった観点から、それぞれの原因と対処法について詳細な解説がなされました。 
 TAKE HOME MESSAGEとして、
  「ヒューマンエラーは完全には撲滅不可能である」
  「テクニック的に目新しいものは存在しない」
 という点が示され、持続可能な対策の構築と、過去の対策を活かす重要性が強調されました。
司会:木村技士 大澤技士
 
シンポジスト:長嶋技士 大島技士 廣瀬技士 関技士 野口技士
 
司会:向田技士
 
教育講演:前田先生

 

総括および今後の予定
 今回の勉強会は、安全対策をテーマに多くの方々にご参加いただき、皆様の臨床業務に資する内容となったものと考えております。
 関東甲信越地方会では、今後も体外循環に関わる実践的なテーマを取り上げ、参加された方が日常業務に活かせる勉強会を開催してまいります。
 
 また、第32回日本体外循環技術医学会関東甲信越地方会大会を、
 **2026 年 4月11日(土)~12日(日)**に、
 **群馬県安中市・磯部温泉「磯部ガーデン」**にて開催いたします。
 大会テーマは、 『Re:Start ―継承と革新の、その先へ―』 です。 
大会では、学術セッションに加え、懇親会およびナイトセッションも実施予定です。
 懇親会は、磯部温泉の趣ある座敷にて夕食を囲みながら交流を深める場とし、
ナイトセッションでは、普段の学会では聞けない現場の本音や課題、工夫などをざっくばらんに語り合える時間を予定しております。
 
皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。

広報・情報係
小野 小林 初鹿野 神崎